ラスベガスのVenetianで、ディーラーがカードを配る動作が変わりました。空中を飛ばす「ピッチ」から、卓面に沿って滑らせる「スライド」への移行です。狙いは、プレイヤーの手元へ届く途中でカードの表が見える機会を減らすこと。2026年10月14日付のPokerNewsの取材記事で、ポーカー運営責任者のTommy LaRosaが説明しています。
プレイヤーから見ると、手元へ飛んできたカードが、卓面を滑って届くようになります。この動作を支えるのが、カードを滑らせる用具と、各席へ安定して届けるための練習です。

変わるのは、手元に届くまでの動き
ピッチはカードを指先で送り出し、空中を通してプレイヤーへ届ける配り方です。スライドは卓面に沿って送ります。伏せ札でも、配る途中で傾けば表の情報が見える余地があります。低い経路を使うのは、その機会を減らすためです。カード面が見える機会を減らす狙いで、完全防止を保証するものではありません。
ピッチ
空中を通して届ける
スライド
卓面に沿って届ける
PokerStarsも2025年4月、EPT Monte Carloの一部イベントからスライド配札を段階導入し、同年8月のEPT Barcelonaまでに全イベントへ広げる計画を発表しました。配札中のカード面をスマート端末で捉える機会を減らすためで、端末の使用制限も同時に打ち出しています。PokerStarsの発表は、配札の動作と端末の扱いを組み合わせた対策です。
フェルト・カード・シューと、配る練習
LaRosaの説明によると、Venetianは2026年の早い時期から検討を始め、フロアに導入する前にディーラーが訓練と練習を重ねました。
プレイヤー側から様子を伝えたのがMatt Berkeyです。日本時間10月14日13時26分のX投稿で、Venetianの変更を評価し、滑りやすいフェルトやカードを取り出すシューが使われているように見えると述べています。シューは配る前のカードを取り出す側の用具で、フェルトはカードが通る卓面です。Berkeyの投稿では、配る動作とともに、その両側を支える用具にも目が向けられています。

カードを卓面に沿って送る動作には、手の動かし方に加え、カードとフェルトの組み合わせも関わります。WPTのエグゼクティブ・ツアーディレクター、Matt Savageは2025年5月の本人のコラムでスライド配札を支持する一方、ディーラーの再訓練、フェルトやカードの交換、湿度への対応を導入時の論点に挙げました。
卓面を滑らせる方式では、カードとフェルトの組み合わせが通り道を支えます。訓練が担うのは、その環境で各席へカードを届ける動作です。用具を替えることと配る人が慣れることを合わせて考えると、今回の変更が現場の準備を伴う理由が分かります。
先行する計画から、常設ルームでの導入へ
- 2025年4月24日PokerStarsが段階導入の計画を公表
- 2025年5月2日Savageが訓練・用具などの実務を論じる
- 2026年の早い時期Venetianが検討開始。導入前に訓練・練習
(LaRosaの説明) - 2026年10月14日PokerNewsがVenetianの移行を報道
大会での段階導入の計画と、常設ルームの取り組みを並べると、配札変更を支える現場の準備が見えてきます。
プレイヤーには、カードが届くまでの違いが見える
卓についたプレイヤーが目にする変化は、カードの受け取り方そのものより、手元まで届く経路です。ディーラーの手から卓面を通ってくるカードを見ると、フェルトと配る動作が一緒に働く様子が分かります。
その準備には、普段プレイヤーからは見えにくい訓練も含まれます。LaRosaが語る訓練と、Berkeyが注目した用具を合わせて見ると、配札変更を支える準備が分かります。配札以外の不正や対策については、ポーカーの不正・イカサマの種類と事例で解説しています。



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