最終更新: 2026年6月29日
調査方法: 本人のX(旧Twitter)公式投稿・Wikipedia・pixiv百科事典を一次/準一次ソースとし、WSOP公式リザルト・The Hendon Mob・PokerNews等のトーナメント結果データベースと突き合わせて事実確認を行いました。VTuberは本名で大会にエントリーするため公開DBと活動名が紐づかない構造的な限界があり、確認できた事実・本人公表(自称)・未確認の噂を明確に区別して記載しています。

まず事実関係から整理します。個人勢VTuber「あまう」(天羽しろっぷ)が2026年6月にXで発表した「WSOP優勝」を、正確に位置づけておきます。今回の優勝は、ブレスレットイベントや高額バイインのWSOP本戦ではなく、無料参加型のフリーロールです。そのため「WSOP公式イベントで世界王者になった」という意味ではありません。ただし、WSOP期間中・ラスベガス現地のポーカー文脈で行われた大会を勝ち切ったこと自体は、企画大会とはいえ十分に価値のある実績です。本人も投稿で「フリートーナメント」と正確に書いています。この記事は、言葉を盛らず・かつ過小評価もせずにこの出来事を位置づけたうえで、「正しく整理すると、これはこれで面白いしすごい」という視点でまとめます。あわせて、アプリ大会から海外現地まで広がりつつある日本のVTuberポーカー界隈の現在地も紹介します。

📌 この記事でわかること

  • 「あまう」とは誰か、WSOP「優勝」の中身(フリーロール・本戦・ブレスレットの違い)
  • 本戦優勝ではないが、WSOP現地のフリーロールを勝ち切った価値をどう評価するか
  • 日本のVTuberのポーカー活動の広がり(アプリ大会・配信企画・海外現地)
  • 注目のポーカーVTuber(月影エル・全賭りょう・本間ひまわりほか)の実績と確度
  • なぜVTuberの「公式トーナメント実績」は確認しづらいのか(本名エントリーの壁)
  • 「WSOP優勝」を盛らず・過小評価せずフェアに読むコツ

あまうのWSOP優勝は何がすごい?本戦・フリーロールの違いを整理

まず話題の出どころから。2026年6月28日、VTuberの天羽しろっぷ(あまう しろっぷ/英: Amau Syrup)が自身のX(@syrupchan0)で「ポーカーの世界大会WSOPのフリートーナメントで優勝しました」と投稿し、これが「VTuberがWSOPで優勝した」という形で広まりました。

「あまう」は天羽しろっぷ本人のポーカー文脈での通称です(pixiv百科事典)。無所属の個人勢VTuberで、X認証済み・フォロワーは約23万人。普段はポーカー専門というより雑談・歌・ゲーム配信を中心に活動しています(Wikipedia)。実際の投稿が次のものです。

話題の発端となった本人のX投稿。本人は「フリートーナメントで優勝」と正しく明記している(出典:@syrupchan0

🔍 まず言葉を正確に: 彼女が勝ったのは「フリーロール」=無料エントリーのトーナメントで、ポーカーの世界大会WSOPの会期中にラスベガス現地で開かれた企画寄りの大会とみられます。WSOPのブレスレットイベント(金の腕輪がかかった公式タイトル)や、バイインを払って戦う本戦・公式サイドイベントとは別カテゴリで、WSOP.com公式の優勝者リストやThe Hendon Mob等の戦績DBには載りません。これは優劣の話ではなく、そもそも記録の残り方が違うイベントだということです。

フリーロールと本戦、何が違う?

「WSOPで優勝」と聞くと一様にすごく聞こえますが、フリーロールと本戦は優劣というより”カテゴリ”が違います。違いを数字で押さえておくと、今回の優勝を正しく評価できます。

  WSOP本戦イベント フリーロール
参加費 $500〜$10,000+(数万〜150万円超) 無料(0円)
賞品 高額賞金+ブレスレット/リング 少額賞金・賞品・参加権など(企画による)
公式記録 WSOP.com・Hendon Mobに残る 原則残らない
位置づけ 世界王者を決める競技の本番 WSOP期間中・現地で開かれる体験/企画型の大会

このフリーロールは、ポーカー系YouTuber「世界のヨコサワ」のラスベガスWSOPツアー「世界のヨコサワとこの夏、WSOPに行こう!」yokosawa.world/wsop2026)の一環として開かれた、WSOP公認(公式協力)の参加費無料トーナメントです。JALパックの「ZIPAIRチャーター直行便で行く!ラスベガス8日間ツアー」(約280〜300人規模)の参加者に向けた企画で、2026年6月26日19時にWSOP会場内でスタートし、決勝はWSOPのファイナルテーブルで行われるという、かなり作り込まれた内容でした。ヨコサワ本人も開催前に「いよいよフリーロールトーナメントが始まります!!! WSOPアプリに表示されてるの凄すぎる〜〜〜!」と、WSOP公式アプリに企画が載った様子を投稿しています。誰でも入れるオープンな大会ではなくツアー参加者限定でしたが、仲間内のお遊びというより、WSOPの会場・公式アプリ・ファイナルテーブルという”本場の文脈”に組み込まれた大会だった、という点が重要です。

あまうが勝ったのは、この「世界のヨコサワ」WSOPラスベガスツアーの一環としてWSOP会場で行われた無料トーナメント。WSOP公式アプリにも表示されていた(出典:@MasatoYokosawa

🎴 あまうが優勝した「WSOPフリーロール」とは(2026)

  • 扱い: WSOP公認(公式協力)の特別フリーロール(※ブレスレット・本戦とは別カテゴリ)
  • 日時・会場: 2026年6月26日 19:00〜/ラスベガスのWSOP会場内
  • 参加費・形式: 無料/No-Limit Hold’em
  • 対象: 「世界のヨコサワ」WSOPツアー(JALパック×ZIPAIRチャーター直行便、約280〜300人規模)の参加者限定
  • 決勝: WSOPのファイナルテーブルで開催・観戦可
  • 賞金: 優勝賞金は約32万円とされる(公式ページに金額の明記はなく、関係者・SNS情報に基づく)

あまう本人は最初から「フリートーナメント」と正確に書いており、盛ったわけでも誤情報でもありません。そのうえで中身を見ると、約280〜300人規模のツアー参加者(日本人中心)の中を勝ち上がり、WSOPのファイナルテーブルで決勝を戦って優勝した、というのが実態に近いところです(フリーロールの参加人数はSNS上で「235人」とする投稿もありますが、公式確認は取れていません)。世界の強豪がひしめくWSOP本戦とは土俵が違いますが、WSOPの会場・ファイナルテーブルという舞台で、200人規模の大会を勝ち切ったのは、企画大会寄りだとしても普通にすごいことです。優勝賞金は約32万円とされ(公式発表ではなく関係者・SNS情報)、金額そのものは本戦の高額賞金とは桁が違いますが、評価の軸は金額の派手さよりも“本場の舞台で勝ち切った経験そのもの”にあります。WSOP本体の仕組みはWSOP 2026完全ガイドで確認できます。

この企画自体のスケールも見逃せません。「人気YouTuberのファン旅行」に留まらず、WSOP公認の無料トーナメントを会場内で実現し、決勝をファイナルテーブルで行うという、ほとんど”日本人向けの小さなWSOP体験”にまで仕上げているのが見どころです。海外ポーカーメディアのPokerNewsもこの大会を「WSOP x World Wide Tour Special Freeroll」として取り上げ、ヨコサワが約290人の日本人プレイヤーをラスベガスに連れてきたことを、2026年のWSOPにおける日本のポーカー熱の象徴として紹介しています(PokerNews)。あまうの優勝は、その大きな盛り上がりの中から生まれた一場面、という位置づけです。

WSOPには「階層」がある——今回の優勝はどこに位置する?

ポーカー経験者ほど「WSOP優勝」という言葉に身構えます。実際、ひと口にWSOP(やその周辺)と言っても、大会には次のような階層があるからです。あまうの優勝がどこに当たるのかを、上から並べて確認しましょう。

大会の種類 位置づけ
WSOPブレスレットイベント 世界最高峰の公式タイトル。優勝で金のブレスレット WSOPメインイベント等
WSOP公式サイドイベント ブレスレットは付かなくても、公式大会として記録価値が高い デイリーディープスタック等
WSOP公認フリーロール 👈 今回 本戦とは別カテゴリだが、WSOP公認・会場内・ファイナルテーブル決勝という”本場の文脈”の大会。勝ち切った価値はある ヨコサワのWSOP会場内ツアー企画
国内大型ライブ大会 国内競技勢としての確かな実績。賞金・記録が伴うことが多い JOPT・ASPT・戦国ポーカー等
アプリ大会・配信企画 競技性とエンタメ性が混ざる、配信向きの実績 m HOLD’EM・ポーカーチェイス等

あまうの優勝は上から3段目、「WSOP公認フリーロール」に当たります。最上段のブレスレットや本戦とはカテゴリが違いますが、いちばん下のアプリ・配信企画とも違い、”海外現地のポーカー文脈に出向いて勝った”という一段ふみ込んだ経験です。上下の優劣で語るより、「どの階層の、どんな価値の勝利か」を正しく置くのがフェアな見方です。

あまう(天羽しろっぷ)のこれまでのポーカー実績は?

今回のフリーロールに加えて、彼女には公表されているライブ大会の優勝歴もあります。2024年4月、女性限定のタレント系ライブポーカーイベント「P1GP-2024 Rd.1 #02 超ニコニコレディースカップ」(74名)で優勝し、賞金20万円を獲得しています(大会レポート)。サミーのアプリ「m HOLD’EM」のVTuberイベント「V春祭」にも出場経験があります。普段の活動はポーカー専門ではないのに、こうしてライブの場でも結果を出し、さらにWSOP現地のフリーロールまで勝ってくる——ポーカーに本気で向き合っているVTuberの一人であることは、素直に評価していいポイントです。

そもそも日本のVTuberのポーカー活動は「アプリ大会」が中心

あまうの件を入口に、より大きな問いに進みます。「日本のVTuberはこれまでトーナメントでどんな実績を残してきたのか?」——先に整理すると、VTuberのポーカー活動は、その大半が”アプリ内・オンラインの大会”や配信企画に集中しており、ラスベガスのWSOPのようなライブの公式戦績は、これまでほとんど見当たりません。だからこそ、海外現地のフリーロールを勝ったあまうの件は、界隈の広がりを感じさせる出来事でもあります。

VTuber × ポーカーの盛り上がり自体は大きく、中心になっているのは次の2つのプラットフォームです。

  • m HOLD’EM(エムホールデム/サミー): 2024年に「m VTuber Poker Festival」として、にじさんじ・ホロライブ・ぶいすぽっ!の3グループ計24名規模がコラボ。ユーザー参加型の「m VTuber Poker Tournament」も開催されました(公式)。
  • ポーカーチェイス(ポカチェ): にじさんじでは「ポカチェ部」と呼ばれるほどライバーに浸透。葛葉・叶らの配信がポーカー人口の裾野を広げました。

これらはアバターの姿のまま遊べるオンライン/アプリの大会で、賞品もアプリ内アイテムや現物(過去には宮崎牛などの例も)が中心。WSOP本戦のような現金賞金・公式タイトルとは別カテゴリですが、配信としての面白さや競技人口を増やした功績は大きいものです。「VTuberがポーカーで優勝した」という話の多くは、この階層を指しています。腕試しにアプリを使う発想はJOPT Gamesの活用法でも触れています。

注目のポーカーVTuberと、その実績の”確度”

そのうえで、トーナメントに本気で取り組んでいる主なVTuberを、実績の裏付けの強さ(確度)つきで紹介します。確度は「公式確認=DB等で裏が取れる/本人公表=自称で第三者確認が難しい/噂=伝聞のみ」の3段階で示します。確度が低い=実力が低い、という意味ではない点に注意してください(後述の構造的な事情があります)。

VTuber 所属 主な実績(本人・媒体発表) 確度
月影エル 個人勢 JOPT・ASPT・戦国ポーカー等でのライブ入賞を多数公表。MIXゲーム(Triple Draw等)に強い 本人公表
全賭りょう 個人勢 「ポーカー系VTuber」。WSOP Online 2021ファイナリストを公表。VTuber向けポーカーアプリも運営 本人公表
本間ひまわり にじさんじ NIJISANJI NEW YEAR CUP OF POKER 2023 優勝・賞金100万円(ポーカーチェイスのアプリ大会) 公式確認
天羽しろっぷ(あまう) 個人勢 P1GP 超ニコニコレディースカップ優勝(女性限定74名・賞金20万円)/WSOP公認フリーロール優勝(賞金 約32万円とされる) 公式確認+本人公表
鷹宮リオン にじさんじ 「マカオの大会で4位」と配信で言及(大会名・年度・賞金は不明)

本格派の筆頭:月影エル

ライブのトーナメントに継続的に挑んでいる本格派として名前が挙がるのが月影エル@eru_tsukikage)です。「ポーカー日本5位」を標榜し、JOPTやASPT、戦国ポーカーといった国内のライブ大会での入賞を数多く公表しています。特にバドゥーギやトリプルドローといったMIXゲーム(ホールデム以外の種目)に強いのが個性です。

💡 なぜ「本人公表」止まりなのか: 月影エルが公表する戦績の多くは、世界最大のポーカー戦績DB「The Hendon Mob」で個別に裏取りすることができませんでした。理由は2つ。①VTuberはライブ大会に本名(パスポート名)で参加するため、活動名とDBの記録が紐づかない。②JOPTのサイドイベント等はそもそもHendon Mobに登録されていない大会も多い。つまり「DBに無い=実績が無い」のではなく、構造的に第三者が照合できないのです。だからこそ”本人公表”として、過大にも過小にもせず丁寧に扱います。

「ポーカー系VTuber」を名乗る:全賭りょう

全賭(ぜんがけ)りょう@RyoAllin)は、肩書きそのものが「ポーカー系VTuber」。2021年のWSOP Onlineでファイナルテーブル進出を公表しているほか、VTuberが集まって遊べるポーカーアプリ「VTuber Poker」を自ら開発・運営するなど、プレイヤー兼”場づくり”の人として界隈を支えています。

アプリ大会では明確な優勝記録:本間ひまわり

大手箱の例では、にじさんじの本間ひまわりが「NIJISANJI NEW YEAR CUP OF POKER 2023」で優勝し、賞金100万円を獲得しています。これはポーカーチェイス上で行われたVTuber限定のアプリ大会で、優勝という結果ははっきりしています。WSOP/JOPTのような公式のライブ大会とはカテゴリが違いますが、注目度の高い舞台で勝ち切った、立派な実績です。

なぜVTuberの「ライブ大会での実績」は見えにくいのか

ここまでで気づいた方も多いはずです。VTuberのポーカー実績は「アプリ大会の優勝」か「本人公表のライブ入賞」がほとんどで、WSOPブレスレットのような”誰が見ても揺るがない公式タイトル”はまだ少ない——これには、実力とは別の明確な理由があります。

  1. 本名エントリーの壁: ライブ大会は本人が物理的に着席するため、本名で参加するしかない。アバターの活動名とは結びつかず、戦績DBを検索しても見つからない。
  2. 身バレ・顔出しリスク: アバター活動と「生身で会場に座る」ことは相性が悪く、参入のハードルが配信者一般より高い。
  3. サイドイベントはDB非収録: 国内大会の多くのサイドイベントは、そもそも国際的な戦績DBに登録されない。
  4. 競技としての厚い壁: WSOP本戦は1万人規模・長丁場の過酷な競技で、エンタメ参加と本戦入賞の間には大きな実力差がある(これは誰にとっても同じ)。

だから、VTuberのポーカー実績を語るときは「公式タイトルが無い=実力が無い」とも、「アプリや企画だから価値が無い」とも決めつけず、“どの階層の、どこまで確認できる実績なのか”をフラットに見分けることが大切になります。

比較で見る:配信者・芸能人がライブ大会で残してきた実績

VTuberの現在地をはっきりさせるために、顔出しの配信者・芸能人・プロが残してきた実績と並べてみましょう。日本の「配信者・著名人 × ポーカー」には、すでにライブ大会での確かな実績の系譜があります。

人物 区分 代表的な実績
木原直哉 プロ 2026年に2本獲得しWSOPブレスレット通算3本=日本人初の3冠
世界のヨコサワ YouTuber/プロ級 WPT韓国優勝、WSOPメインイベント2023年45位(賞金約$188,400)
ナーツゴンニャー中井 配信者 JOPT 2024メイン2位(約1,200万円)→Triton・WSOP・EPTで連続入賞、通算2.6億円超
田中圭 俳優 WSOPのイベントで3位(約1,700万円)ほか海外大会入賞
岡本詩菜 プロ WSOP $1,000 レディース選手権を連覇(2024・2025)

こうして並べると、「配信者・芸能人がライブ大会で結果を出す」流れはすでに確立している一方で、“アバターのVTuber”がその領域で揺るがない公式タイトルを獲るのは、まだこれから——という現在地が見えてきます。だからこそ、もし将来VTuberがWSOP本戦(ブレスレットイベント)で入賞すれば、それは中井や芸能人勢の系譜の中でも別格のニュースになります。今回のあまうの件は、その大きな物語に向けた小さくも面白い一歩、という位置づけです。ライブ大会への挑戦を考えるなら、まずJOPT完全ガイド海外ポーカー旅費戦略ガイドで現実的なコストと流れを押さえておくとよいでしょう。

VTuberとポーカーの接点は、着実に広がっている

ここまで見たとおり、日本のVTuberのポーカーは長らくアプリ大会・配信企画が中心でした。だからこそ今回のあまうの件は、その枠が少しずつ外に広がっていることを示す出来事として面白いのです。

  • 「観る」から「現地へ行く」へ: VTuberがオンラインの中だけでなく、WSOP期間中のラスベガス現地という”ポーカーの本場の文脈”に足を運び、現地のイベントを勝ち切る場面が出てきた。今回のフリーロールも、世界のヨコサワが約280〜300人規模の日本人ツアーをWSOP会場へ連れて行く企画の一部。配信を”観る”だけだった層が、実際に現地で打つ側へ動き始めています。
  • VTuberならではの難しさ: 一方で、本場のライブ競技で「公式タイトル」を積み上げるには、顔出し・本名でのエントリー・公式DB掲載といった、アバター活動とは相性の悪いハードルが残ります。
  • 見る側に必要なフェアさ: だからこそ、公開情報だけで実績を盛ったり、逆に「企画でしょ」と切り捨てたりせず、「どの階層の、どこまで確認できる実績か」を落ち着いて見るのが大事です。

勝敗の大小だけで測ると見落としますが、VTuberとポーカーの接点がアプリ→国内ライブ→海外現地へと着実に広がっている——今回の件は、その流れを体現するポジティブな一例として受け止めるのが、いちばんしっくりきます。

「WSOP優勝」をどう読む?——盛らず・過小評価せず位置づけるコツ

今回のあまうの件は、本人の正確な表現が、伝わる途中で大きくなってしまった例でした。とはいえ逆に「フリーロールだから」と切り捨てるのも、同じくらい不正確です。VTuberに限らず、ポーカーの「実績」は次の点を押さえると、過大にも過小にもせずフェアに評価できます。

  • 「WSOP優勝」は本戦か、フリーロール/サテライトか: 同じ「WSOP」でも階層が違います(優劣ではなくカテゴリの違い)。
  • 賞金額の記載があるか: 公式の本戦入賞なら、ほぼ必ず賞金額が伴います。
  • The Hendon Mob/WSOP.comに載っているか: 国際大会の本戦なら公式記録が残ります(※サイドイベントやVTuberの本名問題で”載らない”正当な例外もある点は前述のとおり)。
  • 「アプリ大会」か「ライブ大会」か「海外現地」か: どれも価値はありますが、舞台の質と難易度が異なります。

ポイントは、違いを理由に否定することではなく、正しいラベルを貼ってから素直に楽しむこと。そうすれば、あまうのフリーロール優勝も「本戦ではないが、現地で勝ち切った面白い快挙」として、ちょうどよく評価できます。

よくある質問(FAQ)

Q. あまうはWSOPで優勝したのですか?

WSOPの会期中・ラスベガスのWSOP会場内で開かれたWSOP公認(公式協力)の無料「フリーロール」トーナメントで優勝したと本人がXで発表しました。これは「世界のヨコサワ」のWSOPツアー参加者向けの企画で、決勝はWSOPのファイナルテーブルで行われました。賞金やブレスレットのかかったWSOP本戦イベントの優勝ではなく、WSOP.comやThe Hendon Mobの公式記録には残りません(優勝賞金は約32万円とされます)。本人も「フリートーナメント」と正確に書いており、本場の会場・ファイナルテーブルで勝ち切ったこと自体は、企画大会寄りとはいえ十分に価値のある出来事です。

Q. フリーロール優勝って、結局すごいんですか?

本戦優勝とは別カテゴリですが、十分にすごいです。ふだんポーカー専門ではないVTuberが、約280〜300人規模のツアー参加者(日本人中心)の中を勝ち上がり、WSOP会場・ファイナルテーブルという舞台で大会を勝ち切ったのは簡単なことではありません。世界中の強豪と当たる本戦とは土俵が違う一方、本場の独特な空気の中で結果を出した経験には価値があります。「ブレスレット級の快挙」と混同しないことと、「企画だから無価値」と切り捨てないこと——その両方を避けるのがフェアな見方です。

Q. 「あまう」って誰ですか?

個人勢VTuberの天羽しろっぷ(Amau Syrup)です。「あまう」はポーカー文脈での通称。普段は雑談・歌・ゲーム配信が中心で、X認証済み・約23万フォロワーの人気VTuberです。GTO理論で知られるポーカーコーチ「Amu(@Amuformu)」は別人なので混同に注意してください。

Q. 日本のVTuberでWSOPのブレスレットを獲った人はいますか?

確認できる範囲ではいません。WSOP 2026のブレスレット獲得者にもVTuberと明示される人物は見当たりませんでした。VTuberのポーカー実績は現状、アプリ大会の優勝や本人公表のライブ入賞、そして今回のような海外現地のフリーロールが中心です。だからこそ、もし本戦タイトルを獲る人が出れば大ニュースになります。

Q. 日本でいちばんポーカーが強いVTuberは誰ですか?

ライブ大会への取り組みという点では月影エルがよく名前に挙がります。ただし戦績の多くは本人公表で、第三者が公開DBで裏取りするのが難しい(本名エントリーの構造的な問題)ため、当サイトでは「最強」と断定はしません。

Q. VTuberはなぜライブの大会にあまり出ないのですか?

ライブ大会は会場で本人が着席するため、本名で参加するしかなく、アバター活動との相性(身バレリスク)が悪いことが大きな理由です。加えて、活動名と戦績DBが紐づかないため、出場・入賞しても”VTuberの実績”として可視化されにくい事情もあります。逆に言えば、今回のように海外現地に出てくるVTuberは、それだけで珍しく挑戦的だと言えます。

Q. VTuberのポーカー大会に参加してみたいです。

「m HOLD’EM」や「ポーカーチェイス」など、VTuberコラボ企画が行われるアプリから入るのが手軽です。ライブ大会の練習として使う方法はJOPT Gamesの活用法、無料アプリ全般は無料ポーカーアプリガイドを参考にしてください。

まとめ:正しく整理すれば、これはこれで十分すごい

  • あまう(天羽しろっぷ)のWSOP「優勝」はWSOP本戦(ブレスレット/高額バイイン)の優勝ではない。公式記録にも残らない
  • ただしWSOP期間中・ラスベガス現地のフリーロールを勝ち切ったこと自体は十分に価値がある。本人も「フリートーナメント」と正確に表現していた
  • 大事なのは「言葉を盛らないこと」と「過小評価しないこと」の両立。階層を正しく置けば素直に楽しめる
  • 日本のVTuberのポーカーはアプリ大会・配信企画が中心。本格派は月影エル・全賭りょう、アプリ大会の明確な優勝は本間ひまわり
  • VTuberの公式タイトルが少ないのは本名エントリー・身バレ・DB非収録という構造的理由。”記録が無い=実力が無い”ではない
  • VTuberポーカー界隈は今後、ライブ大会・アプリ大会・配信企画・海外現地が混ざりながら広がっていく可能性がある

あまうの件は、ポーカーの「実績」をどう読むかを考える良い教材であり、同時にVTuberとポーカーの距離が縮まっていることを示す、ポジティブで面白い出来事です。本戦の快挙と混同せず、かといって企画として切り捨てもせず——正しいラベルを貼ったうえで「これはこれで普通にすごい」と楽しむ。それがVTuberポーカーをいちばん面白く追いかけるコツです。日本人のWSOP本戦での戦いを知りたい方は、WSOP 2026完全ガイドもあわせてどうぞ。

ポーカージャパンリサーチ 編集部

リサーチ・執筆

海外遠征9都市・国内145店舗・アジア130大会を全量調査ベースで継続取材。一次ソースと現地確認に基づく情報のみを掲載しています。編集方針著者プロフィール

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